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【ラブライブ】衝撃告白!「一緒の時間を過ごしたいんです」【SS】(19:00)

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1 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:16:15.00 ID:QYNiXGzZo

それは今よりも
ずっと先のお話

「うぅ~寒いにゃ~」 

花陽
「ほら凛ちゃん、
 もう少しで学校だから」 

「かよち~ん」 

真姫
「全く……
 少しは我慢しなさいよ」 

「と言いつつ
 真姫ちゃんも
 完全防備にゃ!」 

真姫
「そ、それは!」 

真姫
「寒いものは
 寒いんだから
 仕方ないじゃない……」 

「なら皆でくっついて
 温まるにゃ!」 

花陽
「わわっ」 

真姫
「ちょっ、
 急に引っ張らないで!」 

「えへへ~」

2 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:18:06.91 ID:QYNiXGzZo

花陽
「でもあと少しで3月。
 春はすぐそこだよ?」 

「全然そんな
 感じはしないにゃ」 

花陽
「う、う~ん、
 それはそうだけど」 

真姫
「もうすぐ3月、か……」 

花陽
「真姫ちゃん?」 

「どうかしたの?」 

真姫
「次の春を
 迎える頃には
 私たち最上級生
 なんだなって」 

花陽
「なんだか早いよね」 

「でも、凛たちが
 最上級生に
 なるってことは……」 

花陽
「うん……」

3 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:20:11.68 ID:QYNiXGzZo

顔を見合わせる私たち 

次の言葉を言うのは簡単だ 

でも、誰も言おうとはしない 

現実から目を背けるように 

ただ、その“現実”は音を
立てて近づいてくる

4 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:21:29.01 ID:QYNiXGzZo

教師A
「西木野さん、
 送辞の方は
 どうかしら?」 

真姫
「すいません、
 もう少し待って下さい」 

教師A
「急かしてるわけ
 じゃないんだけど、
 先生も確認したいからね」 

真姫
「はい、分かっています」 

教師A
「来週いっぱいを目処に
 完成させて
 持ってきてくれると
 助かるわ」 

真姫
「分かりました……」

5 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:23:10.25 ID:QYNiXGzZo

教師B
「在校生代表として、
 卒業記念品を
 渡す担当、どっちがやるか
 決めてくれた?」 

花陽
「え、えぇっと……」 

「実はまだで……」 

教師B
「もーう、そんなに
 難しいことじゃないし早めに
 決めてほしいのだけども」 

花陽
「も、もう少し
 考えさせてください」 

教師B
「分かったわ。でも早めにね」 

「ごめんなさい……」 

教師B
「お世話になった
 3年生の門出ですものね。
 じっくり考えたくなるのも
 分かるわ」 

花陽
「はい……」

6 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:24:02.79 ID:QYNiXGzZo

・生徒会室 

「はぁ~」 

花陽
「う~ん」 

真姫
「どうしたの?
 2人揃って
ため息なんてついて」 

「真姫ちゃ~ん」 

花陽
「実はね……」

7 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:25:34.35 ID:QYNiXGzZo

真姫
「そう、あなた達も」 

花陽
「ということは
 真姫ちゃんも?」 

真姫
「えぇ、送辞の件で
 催促されたわ」 

「真姫ちゃんも大変にゃ」 

花陽
「1番負担が
 大きいもんね。
 手伝ったほうが良い?」 

真姫
「いえ、大丈夫よ。
 というか送辞は
 ほぼ
 出来上がってるの」 

花陽
「そうなの?」 

真姫
「えぇ、9割くらいは」 

「なら早く
 完成させた方が
 良いんじゃ
 ないかにゃ?」 

真姫
「うん。
 そうなんだけどね……」 

りんぱな
「?」

8 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:30:01.22 ID:QYNiXGzZo

そう、これは
覚悟の問題 

別に送辞なんて
特別何かの
意味を
持っているわけではない 

でも、これを
完成させるということは、 

3年生が卒業するという
事実を受け入れてしまう 

私には
その覚悟がなかった 

きっと、
言葉にはしないだけで
凛も花陽も同じ 

だからいつまで経っても
在校生代表として
壇上に立つなんて 

一見簡単なことを
決められないんだと思う

9 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:30:56.84 ID:QYNiXGzZo

真姫
「ふぅ。ちょっと、
 席外すわね」 

花陽
「あ、真姫ちゃん」 

「どこ行くの?」 

真姫
「……音楽室」 

真姫
「今日はもう、
 戻ってこないから、
 先に帰っても良いわよ」 

パタン 

花陽
「最近真姫ちゃん、
 ずっと音楽室だね」 

「うん……」

10 : ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:33:20.69 ID:QYNiXGzZo

・音楽室 

ガランとした音楽室に
鎮座するピアノに
私は腰を下ろした 

ここから見える景色が
私は好き 

私がピアノを弾いて、
皆が歌を歌って 

そんな時間が
私は好きだった 

いつしか9人は
6人になって、
それでも
このピアノの周りには…… 

私の周りには
かけがえのない仲間が
居てくれた 

そんな仲間を、
私の居場所を
作ってくれた人達が、 

もうすぐここを
巣立っていく 

最近は
ずっとそんな事実を
考えないようにと、
音楽室に居た 

ピアノを弾けば
気が紛れるから

11 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:34:37.28 ID:QYNiXGzZo

でも、今日は変だな 

少し感傷的に
なりすぎたかしら 

登校中に
凛と花陽と
そんな話をして、 


先生にも
送辞の催促をされて、 
考えないように
してた事実とまた
向き合うことになったから 

だから、
一通のメールを送った 

と言っても、
向こうは忙しいだろうし
メールを見てもらえるかは
分からないけど 

見てもらえたところで、
このメールに返信が
来るかも分からない 

でも、メールを送ったことで
少し心が軽くなった

12 : ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:35:50.65 ID:QYNiXGzZo

真姫
「ピアノ、弾こう」 

一心不乱に、
今まで自分が作った曲を 

嬉しい時も悲しい時も、
一緒に歩んできた曲を 

弾き終わると、携帯が
光っているのが見えた 

新着メール:1件 

ハッと息を呑み
そのメールを見たのと、
その声が
聞こえたのは同時だった

14 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:37:37.24 ID:QYNiXGzZo

???
「やはり、
 あなたのピアノは
 素晴らしいですね」 

真姫
「何よ、来るなら来るって
 言ってよ」 

???
「メール、
 送ったではありませんか」 

真姫
「私は今見たのよ」 

???
「全く、
 自分から送っておいて」 

真姫
「良いじゃない。
 それよりも、
 久しぶりね、海未」 

海未
「はい。真姫も
 変わらないようで」

15 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:39:26.97 ID:QYNiXGzZo

海未
「それにしても、
 突然メールが
 来たので驚きました」 

海未
「しかも、
『今日、暇?』なんて」 

真姫
「悪かったわね」 

海未
「いえ、良いんです。
 ちょうど学校にも
 用があったので」 

真姫
「用?」 

海未
「はい。
 進路決定の報告を」 

真姫
「あっ……」 

海未
「真姫にも
 報告しておきますね。
 無事に大学合格しました」 

真姫
「そ、そう。
 それはおめでとう」 

海未
「ありがとうございます」 

真姫
「まぁあなたが大学に
 落ちるなんて想像も
 出来ないけども」 

海未
「これでも
 受験勉強頑
 張ったんですよ?」

クスクス 

真姫
「大学は、都内?」 

海未
「はい。
 ここから
 通える範囲です」 

真姫
「そう」

16 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:41:13.72 ID:QYNiXGzZo

海未
「真姫は、
 何か悩み事が
 あるのではないですか?」 

真姫
「えっ?」 

海未
「だからメールを
 送ったのでは
 ありませんか?」 

真姫
「そ、そういうわけじゃ……」 

海未
「ここに来る途中、
 凛と花陽にも会いました」 

海未
「真姫が苦しんでいるから
 助けてあげて、と」 

海未
「私からすれば凛と花陽も、
 助けを求めている
 顔だったんですけどね」 

海未
「ただ、こうやって
 真姫の顔を見て
 よく分かりました」 

海未
「1番助けを
 欲しているのは真姫だと」

17 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:42:06.57 ID:QYNiXGzZo

あぁ、ずるいなぁ 

この人はいつもずるい 

私が求めているものを
いつも分かってくれる 

だけど、私が1番
欲しかったものだけは
与えてくれない 

だから、ずるい 

18 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:43:46.84 ID:QYNiXGzZo

真姫
「35日」 

海未
「はい?」 

真姫
「私と海未の誕生日の差」 

海未
「あぁ、そうですね。
 私は3月生まれで
 真姫は
 4月生まれですものね」 

真姫
「そうよ。不思議よね、
 1ヶ月しか
 生まれは
 変わらないのよ」 

真姫
「なのに海未は
 いつも私の先を行く」 

真姫
「凛と花陽は
 誕生日離れてるけど
 同じ学年……」 

真姫
「ねぇ、なんで」

ギュッ 

海未
「あ、あの……?」 

真姫
「なんで1ヶ月しか
 離れてない人と……」 

真姫
「1番近い人とは
 一緒になれないの?」

ポロポロ 

海未
「ま、真姫……?」 

真姫
「なんで1番一緒に
 居たかった人とは
 一緒になれないの!?」

19 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:46:38.52 ID:QYNiXGzZo

海未
「お、落ち着いて」 

真姫
「わ、私は!」 

真姫
「私は海未と
 一緒のクラスで
 勉強したかったし!」 

真姫
「海未と一緒に行事に
 参加したかった!」 

真姫
「海未と一緒に
 修学旅行も
 行きたかった!」 

真姫
「分かる?
 一緒に
 行きたかった人に
 置いてけぼり
 にされた気持ちを!」 

真姫
「一緒に
 行きたかった人を
 置いていかなきゃ
 ならなかった
 気持ちを!」 

真姫
「穂乃果や
 ことりに嫉妬した
 ことさえあった!」 

真姫
「それでも
 仕方ないことなんだって
 自分に
 言い聞かせた……」 

真姫
「なのに……
 なのに……!」

20 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:49:10.93 ID:QYNiXGzZo

真姫
「また海未は
 私の先を
 行ってしまう……!」 

真姫
「私も海未と一緒に
 卒業したかった……」 

真姫
「何で1ヶ月しか
 違わないのに、
 こんな思いを
 しなきゃならないの!」 

真姫
「いつも、
 いつも海未は
 ずるい……ひっく」 

真姫
「うわああああ
 ああああん!」 

海未
「真姫……」

21 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:51:41.40 ID:QYNiXGzZo

ひとしきり泣いた後、
私は海未に
介抱されていた 

海未
「落ち着きました?」 

真姫
「うん……」 

今まで我慢してきた、
貯めこんでた想いを
爆発させてしまった私は 

恥ずかしすぎて
海未の顔を
見ることが出来なかった 

それでも海未は、
私が泣き止むまで
ずっと私を
抱きしめてくれて 

泣き止んだ後も
ぎゅっと手を握ったまま、
私が落ち着くのを
待ってくれた 

この優しさに、
私は何度も
救われてきた 

その優しさに、
もっともっと
甘えたくなる 

だから
こんなことを
言ってしまったのだろう

22 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:52:25.76 ID:QYNiXGzZo

真姫
「ねぇ、海未」 

海未
「なんですか?」 

真姫
「1人に、
 なりたくないの……」 

真姫
「今日はずっと、
 海未と
 一緒に居たい……」 

そう言うと、海未は
優しい笑顔で
こう言った 

海未
「なら、私の家に
 行きましょうか」 

23 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:54:56.60 ID:QYNiXGzZo

・園田家 

海未
「どうぞ」 

真姫
「お邪魔します」 

海未
「今日は両親が
 留守にしているので
 気を使わなくても
 良いですよ」 

真姫
「そう……」 

真姫
(そういえば、
 海未の部屋に
  入るのって初めてかも) 

24 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:56:28.14 ID:QYNiXGzZo

海未
「すいません、
 急な話だったので
 部屋を掃除していなくて」 

真姫
「構わないわよ。
 私が
 押しかけている
 ようなものだし」 

海未
「お茶、
 淹れてきますね」 

真姫
「えぇ」

25 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:57:48.94 ID:QYNiXGzZo

真姫
「参考書だらけ」 

合格発表の
直後なんだし当然よね 

受験勉強頑
張ってるって言ってたし 

そうやって机の上にある
参考書の山を見てたら、 

1冊の赤本を
見つけてしまった 

真姫
「えっ、この大学って」 

ガチャ 

真姫
「!?」

26 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:58:33.30 ID:QYNiXGzZo

海未
「お待たせしました。
 お茶請け探すのに
 手間取ってしまって」 

真姫
「あ、ううん。
 全然待ってなかったわ」 

海未
「?」 

海未
「あ、すいません。
 全然片付けてなくて」 

海未
「試験自体はとっくに
 終わってたんですけどね」 

海未
「どうも
 燃え尽き症候群というか」 

真姫
「海未でも
 そうなるのね」 

海未
「えぇ」

27 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 01:59:37.69 ID:QYNiXGzZo

どうしよう、聞くべきか 

いや、別に合格したんだし
聞いても問題ないのだけど 

ただ、海未の真意を
測りかねているから…… 

だって……
だってあの大学って…… 

そう逡巡しているうちに
海未が口を開いた 

28 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:00:08.48 ID:QYNiXGzZo

海未
「そうだ、ご飯なんですけど」 

真姫
「へ?あ、ああ。
 何でも良いわよ」 

海未
「実は両親から夕飯代を
 頂いているので
 店屋物を頼もうかと」 

真姫
「あ、うん分かったわ」 

結局、海未に
何も聞けないまま
時間だけが過ぎていった

29 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:00:39.17 ID:QYNiXGzZo

海未
「時間も遅いので
 寝ましょうか」 

真姫
「そうね」 

真姫
「……ねぇ、
 一緒に寝て良い?」 

海未
「ふふ、
 今日の真姫は
 甘えん坊さんですね」 

真姫
「なっ、
 良いじゃない別に!」 

海未
「はい、どうぞ」

ポンポン 

真姫
「ん……」

30 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:04:07.29 ID:QYNiXGzZo

海未
「こうやって真姫と一緒に
 寝ることになるなんて」 

海未
「オトノキに入った頃には
 想像もしてませんでした」 

真姫
「そりゃ私と海未が
 出会ったのは私が
 入学してからなんだから
 当たり前じゃない」 

海未
「それもそうですね」 

真姫
「……ねぇ、海未」 

海未
「はい?」 

真姫
「私ね、卒業式で送辞を
 読むことに
 なってるんだけど」 

海未
「はい」 

真姫
「完成させられないの」 

真姫
「ううん。本当は
 ほとんど出来てる。
 最後の一文くらいだし、
 何を書くかも
 決まってるの」 

海未
「では何故?」

31 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:06:07.84 ID:QYNiXGzZo

真姫
「覚悟が
 決まってないから。
 これを完成させたら
 3年生は
 卒業しちゃうって」 

真姫
「もし私が送辞を
 完成させなかったら
 卒業式は
 中止になるのかな?って
 考えたこともあったわ」 

真姫
「普通は代役を
 立てるだけなのにね。
 おかしな話よ」 

真姫
「それに……
 大好きな3年生の
 門出なのに、
 中止を願う
 自分が凄い嫌だった」 

真姫
「海未だって、
 大学合格して他にも
 穂乃果やことりも」 

真姫
「皆次のスタートが
 待ってるのに、
 そんなの邪魔出来るわけ
 ないじゃない……!」 

真姫
「自分でもどうしたら
 良いのか
 全然分からなくて……」 

真姫
「もがいて、苦しんで、
 全てを忘れる為に
 音楽室に篭った」 

真姫
「でも結局答えは
 見つからなくて」

32 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:06:53.48 ID:QYNiXGzZo

海未
「それで、
 私にメールを
 送ったんですね」 

真姫
「うん……」 

真姫
「海未の顔見たら
 吹っ切れるんじゃ
 ないかって」 

真姫
「でも逆だった」 

真姫
「海未の顔見たら、
 我慢出来なくて……」 

真姫
「ねぇ、
 私どうしたら良いの?」

ポロポロ 

海未
「真姫……」 

真姫
「ごめん、
 今は少しだけ泣かせて」 

海未
「私の胸なら
 いつでも貸しますよ」 

真姫
「うん、ありがと……」

33 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:13:29.59 ID:QYNiXGzZo

【Side UMI】 

真姫
「すぅ……」 

海未
「泣き疲れて
 寝てしまいましたね」 

海未
「しかし、そうですか」 

海未
「真姫はそんなことを……」 

海未
「こればかりは
 数学のように
 解があるというわけでは
 ないので難しいです」

34 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:16:29.52 ID:QYNiXGzZo

海未
「ふむ……」 

海未
「こういう時はやはり、
 頼るべきですかね、
 年長者を」 

prrrrrr 

海未
「あっ、もしもし、
 夜分遅くにすいません」 

海未
「今大丈夫ですか?
 少し相談事がありまして」 

海未
「はい。
 こういう時頼りに
 なるのはやはり
 あなたかと――絵里」

35 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:23:25.15 ID:QYNiXGzZo

絵里
「やだ、久しぶりに
 電話してきたと
 思ったらどうしたの?」 

海未
『はい、実は』 

絵里
「あ、そうそう。
 受験の方はどう?
 上手くいった?」 

海未
『え?あぁ、
 はいお陰様で
 無事に
 合格しました』 

絵里
「本当!?
 おめでとう、海未」 

海未
『あ、ありがとうございます』

36 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:24:17.87 ID:QYNiXGzZo

絵里
「これは
 お祝いパーティー
 しなきゃね!」 

海未
『え、えぇ。
 それは
 ありがたいですが……』 

海未
『ってちょっとこちらの
 話を聞いて下さい!』 

絵里
「あーごめんごめん。
 久しぶりに
 海未の声を
 聞いたら
 嬉しくなっちゃって」 

海未
『もう……』 

絵里
「それで、相談事って?」 

海未
『実は……』 

37 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:25:51.98 ID:QYNiXGzZo

絵里
「なるほどね」 

海未
『はい。こればかりは
 本人の気の
 持ちような所もあるので』 

絵里
「んーそんなに
 難しく考える
 必要はないと
 思うけどなぁ」 

海未
『そうですか?』 

絵里
「ほら、真姫って
 結構さみしがりやな
 とこあるし」 

海未
『でも、絵里たちが
 卒業する時の
 真姫はここまで酷くは』 

絵里
「うーんとね、真姫が
 1番嫌なのは
 自分の先輩が
 卒業することじゃなくて」 

絵里
「海未が
 居なくなることだと
 思うのよ」

38 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:27:09.30 ID:QYNiXGzZo

海未
『私が、ですか?』 

絵里
「そ。私たちが
 卒業した時は
 まだ海未は
 卒業しないわけだし」 

絵里
「それに、なんやかんや
 真姫はいつも
 海未のことばかり
 気にしてたしね」 

海未
『そ、そんなこと!』 

絵里
「あら、
 気付いてなかったの?」 

絵里
「どう見たって
 真姫の海未を
 見てる眼は
 他の子を
 見るそれとは
 違ってたわよ」 

海未
『うぅ……』 

絵里
「それに、
 薄々気付いてたからこそ
 あんな“志望校”に
 したと思ったんだけど?」 

海未
『それは……そうですけど』 

絵里
「あなたの気持ちを
 伝えなさい。
 真姫は、あなたを
 求めてるのだから」

39 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:27:53.64 ID:QYNiXGzZo

海未
『そう、ですね。
 決心がつきました』 

絵里
「ふふ、
 それでこそ海未よ」 

海未
『ありがとうございます、
 絵里。ちなみに』 

絵里
「ん?」 

海未
『絵里には、卒業する時に
 別れを惜しむような、
 離れたくないと
 思った人って
 居たんですか?』

40 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:29:26.79 ID:QYNiXGzZo

絵里
「あーそれ
 私に聞いちゃう?」 

海未
『はい?』 

絵里
「いやー、そうかー
 気付いてなかったかー。
 そうよね、
 海未って鈍感だものね」 

海未
『あの、絵里?』 

絵里
「いいのいいのー。
 まぁそうなんだろうなとは
 思ってたし」 

絵里
「でもきっぱり諦めたのに
 1年経った今頃になって
 トドメ刺しに来るとか
 海未って案外Sね?」 

海未
『な、何の話ですか!?』 

絵里
「ニブチンの海未には
 教えてあげませ~ん」 

海未
『ちょっ、絵里!?』 

絵里
「それよりも真姫のこと、
 頼んだわよ?」 

海未
『あ、はい、それは』 

絵里
「卒業しても、
 私の可愛い後輩で
 あることには
 変わりないんだから」 

海未
『絵里……』

41 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:30:18.13 ID:QYNiXGzZo

絵里
「あ、そうそう。
 卒業式の日、
 皆予定空いてるから
 集まれそうよ」 

海未
『本当ですか!?』 

絵里
「えぇ。詳しいことは
 またこっちから連絡するから」 

海未
『はい、分かりました。
 それでは絵里、
 今日はありがとうございました』 

絵里
「えぇ、頑張ってね」 

海未
『はい。おやすみなさい』 

絵里
「おやすみ、海未」

42 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:31:29.48 ID:QYNiXGzZo

ピッ 

絵里
「ほんと、世話の焼ける
 後輩なんだから」 

「お~い、
 絵里ち~、どしたん?」 

絵里
「希。なんでもないわよ」 

「ふうん?
 その割には眼が
 赤いみたいやけど?」 

絵里
「ちょっとコンタクトがね」 

(いや、絵里ち
   コンタクトつけてないやん) 

絵里
「それよりもう
 時間じゃない?」 

「おぉ!そやった!
 早くしないとにこっちの
 オールナイトイベント
 始まってまう!」 

絵里
「ほら、急ぎましょ」 

「あぁ~
 絵里ち待って~」

44 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:34:27.58 ID:QYNiXGzZo

物音がして私は
目が覚めた。 

目を開けるとそこには
電話片手に窓の外を
ぼんやり見ている
海未の姿が。 

真姫
「んっ……海未?」 

海未
「真姫、
 起こして
 しまいましたか?」 

真姫
「ううん、大丈夫」 

真姫
「電話してたの?」 

海未
「えぇ。人生の先輩に
 アドバイスを貰いに」 

真姫
「?」 

海未
「真姫、
 少し聞いてもらいたい
 ことがあるんです」 

真姫
「どうしたの?
 急に改まって」 

海未
「先ほど音楽室で、
 大学はここから
 通える範囲と
 言いましたが」 

海未
「あれは嘘なんです」

45 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:36:20.65 ID:QYNiXGzZo

真姫
「えっ?」 

海未
「ここから
 通えない
 こともないのですが、
 いつまでも親元で
 甘えるわけにも
 いかないと」 

真姫
「そんな、じゃあ……」 

海未
「地元を離れるのは
 辛いですが、
 幸いオトノキも私たちの
 活動によって
 に乗りましたし」 

海未
「春からは一人暮らしを
 始めようと思うのです」 

真姫
「そ、そう。でも、
 仕方ないわよね。
 うん、仕方ない」 

海未
「……」 

海未
「それで、1つ
 提案なのですが」 

真姫
「提案?」 

海未
「その、
 なんと言いましょうか……」 

海未
「~~っ」

46 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:37:45.82 ID:QYNiXGzZo

海未
「ま、真姫が卒業したらで
 構いませんので、
 い、いっしょに
 暮らしませんか?」 

真姫
「……」 

真姫
「はい!?」 

真っ赤な顔の海未の
カミングアウトに私は
思考が追いつかなかった。 

海未
「だ、駄目ですか!?」 

真姫
「いやいやいや、
 ちょっと待って。え?
 い、一緒に暮らす?」 

海未
「わ、私も真姫と同じで
 一緒の時間を
 過ごしたいんです」 

海未
「その、
 一緒に朝ごはんを食べて、
 一緒の大学に行って、
 一緒に帰ってくる」 

海未
「そんな生活を
 できたらなと
 思いまして」 

海未
「両親も説得しました」 

真姫
「そ、そう」 

うちの両親説得
しないと意味
ないじゃない……。 

ん、あれ? 

“一緒の大学”って……

47 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:39:01.93 ID:QYNiXGzZo

真姫
「えっと、海未。
 今一緒の大学って
 言わなかった……?」 

海未
「はい」 

真姫
「ということはつまりあの
 大学受けたのって」 

海未
「あ、もしかして机の
 赤本
 見てしまいましたか?」 

真姫
「うん、ごめん」 

海未
「その、良かったら
 真姫と一緒の
 大学に行けたらなって」 

海未
「でも真姫は
 将来お医者様になる
 目標があるから大学も
 医学部のあるとこかなと」 

真姫
「それで、
 あの大学を受けたと?」 

海未
「はい。
 聞いたところによりますと、
 あそこの医学部は
 凄い有名らしくて……」 

真姫
「いや、
 有名なんて
 もんじゃないわよ」 

真姫
「まっとうな
 医者の道進みたければ
 皆あそこ目指すわよ」 

海未
「あ、私は当然医学部
 ではなくて
 普通に文学部
 なんですけどね」 

真姫
「あそこ文系学部でも
 相当な
 倍率だったと
 思うんだけど……」 

海未「頑張りましたから」

エッヘン

48 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:40:24.75 ID:QYNiXGzZo

真姫
「もう、呆れるわ」 

海未
「えぇっ、何でですか?」 

真姫
「そんな大事な話、
 何で私に
 相談もなく1人で
 進めちゃうのよ」 

真姫
「ましてや進路なんて」 

海未
「あまり期待させて
 駄目だった
 時のことも考えると……」 

真姫
「あなたって人は
 ほんと……」 

真姫
「えいっ」

モッギュー 

海未
「わわっ」 

真姫
「海未。
 私、頑張るわ」 

真姫
「海未の居ない1年間、
 頑張るわ」 

海未
「真姫……」

49 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:41:16.58 ID:QYNiXGzZo

真姫
「それで海未と
 一緒の大学行って、
 一緒に暮らすの」 

海未
「はい、待ってます」 

真姫
「ふふふ、
 何か目標が出来たら
 凄いやる気が
 出てきたわ」 

海未
「その前に先ずは
 送辞を
 完成させましょう」 

真姫
「ふふ、そうね」 

真姫
「ねぇ、海未」 

海未
「なんですか?」 

真姫
「ありがと。大好きよ」

チュッ 

海未
「……っ///」 

海未
「私も、大好きですよ///」

チュッ 

50 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:42:22.03 ID:QYNiXGzZo

それから1年間、
私は残された高校生活を
一生懸命楽しんだ 

海未の居ない高校生活は
それでもどこか
ポッカリ穴の空いた
感じはしたけど 

「まーきちゃん!」 

花陽
「真姫ちゃ~ん!」 

凛と花陽の2人が
居てくれたから、
充実した時を
過ごすことが出来た 

勿論、受験勉強も
頑張ったわよ 

私の実力的に
大丈夫な
はずだったけど、
それでももしもの
ことがあったら 

海未に
顔向け出来ないし……

51 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:43:14.55 ID:QYNiXGzZo

後は両親の説得……
と意気込んで
話してみたは良いものの 

流石地元の名家の
跡取り娘だけあって、
私のパパとママも妙に
信頼度が高くて 

園田さんの
とこの娘さんなら
心配はいらない! 

だって 

むしろ私の方が
心配されたわ 

海未に
負担かけないようにって 

失礼しちゃうわね! 

やがて季節は巡り、秋から冬、
そして次の春へ――

52 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:44:21.64 ID:QYNiXGzZo

・◯×大学 キャンパス 

私は1人、
キャンパスを歩いていた 

新入生の
オリエンテーションが
あるわけでもなく、 

ただこれから
自分の通う場所を
見ておきたかったから 

でも、やっぱり1人は寂しい 

なので、メールを送る 

と言っても、
向こうは忙しいだろうし
メールを見てもらえるかは
分からないけど 

見てもらえたところで、
このメールに返信が
来るかも分からない 

なんて―― 

そう思ってたらすぐに
返信が来た

53 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:45:38.85 ID:QYNiXGzZo

???
「今日は、
 音楽室じゃないのですね」 

真姫
「だって私音楽室の
 場所分からないもの。
 そもそもこの大学にあるの?」 

???
「実は私にも分かりません」 

真姫
「何よそれ」 

???
「広い
 キャンパスですからね。
 私にも
 分からないものはあります」 

すぐ後ろから
聞こえる
愛してやまない人の声 

ずっと、
この声が聞きたくて、
私は頑張ってきた 

真姫
「海未……」 

海未
「はい、
 お久しぶりです、真姫」 

真姫
「海未!」

ダキッ 

海未
「よしよし」

ナデナデ

54 ◆ZUqyEdi/0.S5 :2014/06/07(土) 02:46:38.50 ID:QYNiXGzZo

振り返るとそこには
少し大人っぽくなっている
海未が居た 

でも根本は変わらない 

優しくて、お節介で、
恥ずかしがり屋で、
不器用で、 

いつも私の先を行く、
ずるい人 

そんな海未のことが、
私は大好きです



終わり
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402071374/

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この記事のコメント(1 件)

  1. 名無し主義のラブライバー より:

    海未真姫は作詞作曲担当なのだから、もっと絡みがあってもいいと思ってたよ

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